電気工事とは
電気工事に関わる法律と、安全に作業するためのルールをご紹介します。
電気工事の安全はルールで守られています
電気工事の仕事は、感電や火災などの事故と隣り合わせです。 そのため、日本では安全に作業をするための「決まりごと(=法律)」がいくつもあります。 これらのルールを守ることで、自分自身や一緒に働く仲間の安全を守ることができます。
どんな法律があるの?
電気工事に関わる代表的な法律には、次のようなものがあります。
電気事業法 | 電気設備を安全に使うための法律です。 |
電気工事士法 | 電気工事をする人に必要な資格について定めた法律です。 |
電気工事業法 | 電気工事を請け負う会社(業者)の業務を、正しく安全に行うためのルールを定めています。 |
電気用品安全法 | コンセントやブレーカーなどの電気製品が、安全に使える品質であることを保証する法律です。 |
設置者に知識がないときは?
電気設備を設置する人(個人や会社)が、電気の安全について十分な知識を持っていない場合、そのまま工事を進めると事故につながるおそれがあります。そこで、工事を行う作業者や工事業者に対して、上で紹介した法律によって安全な作業ができるようにルールを定めています。
また、1987年の法改正では、ビルや工場などの自家用電気設備の一部も、家庭用の電気設備と同じように法律で管理されるようになりました。 設備の規模が大きくなるほどリスクも増えるため、厳しい安全管理が求められるようになったのです。
その他にも関係する法律
電気工事には、上記以外にも次のような法律が関わっています
建設業法 | 電建設工事全体の業務を安全に行うための法律です。 |
建築基準法 | 建物の構造や設備が安全であるように定めた法律です。 |
消防法 | 火災を予防し、発生時の被害を最小限におさえるための法律です。 |
労働安全衛生法 | 働く人の命や健康を守るために必要なルールを定めた法律です。 |
危険な作業には「特別な教育」が必要です
労働安全衛生法では、危険な作業を行う前に「特別教育」を受けることが義務づけられています。 これは、労働安全衛生法 第59条と、労働安全衛生規則 第36条に基づいて定められています。 電気工事では、次のような作業を行う際に特別教育が必要です。
特別教育が必要な作業の例(労働安全衛生規則 第36条より)
高圧・特別高圧の電気を扱う作業 | 高い電圧の設備を扱う危険な作業です。感電や火災のリスクがあります。 |
低圧電気の取り扱い作業 | 家庭や事務所などで使う電圧でも、取り扱いを間違えると事故につながります。 |
高所作業車(10m未満)の運転 | 高所での作業は、落下事故のリスクがあるため操作に関する教育が必要です。 |
玉掛け作業(クレーンで荷物を吊る作業) | 働ワイヤーやフックで重い物を吊り上げる作業です。手順を間違えると重大事故に。 |
- これらの他にも、危険な作業はたくさんあります。詳しくは「労働安全衛生規則 第36条」で定められています。
なぜ教育が必要なの?
危険な作業を正しく理解せずに行うと、自分がケガをするだけでなく、周囲の人にも危険が及ぶ可能性があります。 特別教育では、どんな危険があるのか・どうすれば安全に作業できるかを事前にしっかり学びます。 知識とルールが、命を守る最初の一歩です。
まとめ
電気工事は、正しい知識とルールを守って行えば、社会のインフラを支えるやりがいのある仕事です。 しかし、一歩間違えば命に関わる事故につながることもあります。 だからこそ、「法律にそって、安全第一で作業する」ことが何より大切です。 法律は、あなた自身と一緒に働く人の命を守ってくれる「大切なルール」です。 これから学ぶ一つひとつが、あなたの力になります。しっかり身につけていきましょう。